2002年 全国大会 心の花賞発表と大会報告

2002年8月24・25日、東京・中野サンプラザで「心の花」全国大会が開かれました。

☆ 全国大会の開会に先立って、第二回「心の花賞」の選考会が、24日の午前中に開かれました。応募総数85編のうち、一次選考通過作品が20編、選考委員の 投票により、5編が最終候補となり、話し合いの結果、堀越貴乃作「あるいは未来が」が受賞作に決定しました。また、それぞれの選考委員(選考委員長の佐佐 木幸綱先生をのぞく)から、選者賞が贈られました。
 心の花賞 堀越貴乃「あるいは未来が」
 石川不二子賞 堀越貴乃「あるいは未来が」
 伊藤一彦賞 木島泉「虫たちの宴」
 宇都宮とよ賞 宮地瑛子「都市の狭間で」
 晋樹隆彦賞 田中拓也「一本の櫂」
 谷岡亜紀賞 奥田亡羊「サンセットおもちゃ箱」
 俵万智賞 本田一弘「ゆっくりいそげ」
作品や選評は、「心の花」11月号に掲載される予定です。

☆今年の題詠のテーマは「都市」。227首の作品のうち、投票の結果、26票を獲得した
「都市に棲む栗鼠のようだね片頬に椎の実ほどの嘘をかくして 永田智子」
 が一位になりました。

☆大会テーマは「伝統と革新と」。講演は、ゲストの三枝昂之氏「前川佐美雄における伝統と革新」。そして佐佐木幸綱先生「昭和初年の心の花」。三枝氏は、 『植物祭』と『大和』の陰になりがちな歌集『白鳳』の意義について語られました。佐美雄の伸びやかさには、どんな冒険をも許した佐佐木信綱の存在が大きい という指摘も。幸綱先生は、「心の花」創刊32年にあたる昭和五年に焦点をしぼってお話されました。この年、信綱58歳、川田順48歳、前川佐美雄27 歳、齋藤史21歳だったそうです。その後、お二人の講演をふまえ、両者の対談が、フランクな雰囲気でおこなわれました。

☆つづくパネルディスカッションのテーマは「情報社会と短歌」。司会俵万智さん、ゲストパネリストとして森本平さん、高島裕さん、心の花から田中拓也さ ん、小川真理子さん。「情報の規模は広がっているが、構造上の変化はそうないのではないか」という意見(森本氏)や「ニュースを、山や花と同じように歌う ことは可能か」という問題提起(高島氏)などがありました。

☆講演やパネルディスカッション、また全体歌会で、心に残ったことや感想などがありましたら、掲示板にぜひ書き込んでください。「心の花」11月号にも、顛末記などの報告が載る予定です。



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